かぎ針編みは、棒針編みに比べると編み方の違いが少ないように思われますが、「持ち方」や「引き抜き方」に複数のパターンがあります。
特に細編みの引き抜き方は、編地の仕上がりに明確な差が出るため、知っておくと表現の幅が広がります。 ここでは、かぎ針の代表的な持ち方と、細編みの2種類の編地の違いについて紹介していきます。
あなたはどっち?ナイフ持ちとペン持ち
かぎ針の持ち方には主に「ナイフ持ち」と「ペン持ち」があります。
みなさんはどちらの持ちかたでしょうか?
ナイフ持ち

ナイフとフォークを持った時のナイフを握るのと同じ持ち方です。
特徴
- 手首への負担が少ない
- 力が入りやすい
- 添え指は人差し指
- 針先のコントロールは慣れが必要
ペン持ち

ペンで字を書くときと同じ持ち方です。
特徴
- 針先をコントロールしやすい
- 添え指は中指
- 長時間編むと手首に負担がかかりやすい
ナイフ持ちとペン持ちの使い分けと感想
私は普段「ペン持ち」ですが、麻ひも・ペーパーヤーン・Tシャツヤーンなど硬い糸は「ナイフ持ち」で編んでいます。
実際に編んでみると、手首への負担は断然「ナイフ持ち」のほうが少ないです。
ただし、細かい目に針を入れるときや、ピコット・鎖目の山を拾うような繊細な作業は、やはりペン持ちの方が圧倒的にやりやすいです。
ちなみに、アフガン針はかぎ針と同じ針先をしているのですが、編むときは、往きはナイフ持ち、戻りはペン持ちが一般的です。実際に編んでみてもその方が手の動きに無理がありません。
細編みには2通り模様がある?
動画で海外の編み方を見る機会が増えて気づいたのですが、細編みは「引き抜き方」によって模様が変化します。
これはあまり触れられていないというか、そもそも基本の編み方の通り編んでいると起こらない現象なので、知らない方も多いかと思います。
ここでは分かりやすく 「普通の細編み」 と 「ねじり細編み」 と呼びます。
それでは、何が違うのかを紹介していきます。
普通の細編み
編み方

最初の引き抜く糸の掛け方は反時計回りになります。
これは他の長編みなどと同じで、糸の引き抜きやすさを考えてもこちらで細編みを編む方のほうが多いかと思います。
編地

V字の編目が並びます。
このV字をしっかりと引き出せると、細編みがきれいにそろいます。かぎ針でメリヤス編目を編むと、このVが棒針のメリヤス編みと同じように見えますよね。
ねじり細編み
編み方

最初の引き抜く糸の掛け方は時計回りになります。
針先を目に刺した後、糸を引っかけて引き抜くイメージです。
編地

X字の編目が並びます。
私が「ねじり」細編みとしたのは、最初に引き抜いた糸がねじれてX字になるためです。
普通の細編みとねじり細編みの違い
編地を並べるとV字とX字の違いがわかりやすくなります。

さらに、サイズや厚みにも差が出ました。

往復編みの場合
横幅:普通の細編みの方が広い
縦幅:ねじり細編みの方が長い
輪編み場合
普通の細編み:普通
ねじり細編み:やや小さくなる
また、ねじり細編みの方がふっくらと厚みが出て、編地の安定感も高く感じられました。
往復編みの場合は縦横の比率が変わってくるので、サイズの違いでは補いきれないゲージの違いが出てきてしまいますね。
編み方のこと さいごに
かぎ針編みの編み方について、いかがでしたでしょうか?
持ち方はナイフ持ちもペン持ちもどちらもよく見かけるので、それほど珍しくはないかもしれません。状況によって使い分けられるようになると、大物を編む時などの編みやすさにつながるのではないでしょうか。
また、細編みの引き抜き方によって編地がこれほど変化することを実際に確認でき、とても興味深い結果になりました。
細編みは奥が深く、編目の美しさや個性を追求するほど、さまざまな表情が出せる編み方です。 編む作品に合わせて「普通の細編み」と「ねじり細編み」を使い分けることで、表現の幅がさらに広がるのではないでしょうか。
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