毛糸編物技能検定1級・・・受験内容【実技】

毛糸編物技能検定試験

毛糸編物技能検定1級の【実技の部】で出題される内容と試験対策について説明していきます。※私は機械編みは選択せず、棒針編みを選択したので、ここでは機械編みの説明は割愛させていただきます。
試験では、「アフガン編+かぎ針編み」「棒針編み(+かぎ針編み)」をそれぞれ試験問題の編み図を見て実際に作成していきます。所要時間はそれぞれ1時間30分で、編みあがったスワッチを厚紙に縫い付けるところまで行います。
この縫い付け作業は慣れないととても時間がかかるうえ、出来上がりの見栄えを左右するので、必ず縫い付け作業も練習しておきましょう。

実技試験や練習で使用する道具については、こちらで紹介しています。

アフガン編

基本的には「受験の手引」各級に掲載されている編み模様を一通り編めるようにしておけば問題ありません。アフガン編はあまりやったことがなかったのですが、教本の写真と同じように模様が出ているかをしっかりと確認しながら、糸の色変えも含めて練習しました。

アフガン編は棒針・かぎ針に比べて編み方や目の種類が比較的少なく技巧も優しめですが、編地をきれいにそろえるには微妙な手加減を一定で繰り返すことが必須です。あまり慣れていない方は、とにかく感覚を手に慣れさせるように数をこなすのがよいでしょう。

棒針編

こちらもアフガン編と同じく、「受験の手引」各級に掲載されている編み模様を一通り編めるようにしておきます。
棒針編みのほうがアフガン編よりも求められる技法が多いように思います。また、なんとなく編めていた編み模様も、教本を確認してみるとやり方が違っていたりもします。慣れている技法ほど、教本を確認しなおしてみることをお勧めします。

編み模様

「受験の手引」1級の編み模様は必ず出題されるのですが、普段あまり使わない模様が多いので、こちらもしっかりと練習しておきましょう。
下段にあるかけ目から糸を引き出すやり方は、私はこの教本で初めてやってみました。初めてやってみた時は、糸の長さ加減がうまく取れずに引きつってしまい大失敗でした。
また、滑目、浮目の段の位置、配色変えが加わった時の模様の出方なども慣れるまでは編地を裏表返すたびに混乱していました。
6目分をまたいで1目ずつで交差編みをするときは、凹型の縄編み針では目を落としてしまうので、U型の縄編み針が活躍しました。

配色変え

「受験の手引」1級では、「糸を渡さないで編む方法」「糸を絡ませて編む方法」の2つが記載されています。試験ではどちらで配色変えをするか指定されているので、どちらでも対応できるように糸変えの編み方を確認しておきましょう。
どちらも糸を変えるときにゆるみすぎたりきつくなりすぎたりしないように、こちらも加減をきちんと練習しておきましょう。

ちなみに、私は小さめの糸巻きボビンを2色分用意して試験に持ち込みました。配色変えも自分に合ったやり方を見つけておくと当日慌てずに対応できます。

他、注意

以外に落とし穴だったのが、「引返し編み」です。
「受験の手引」3級に詳細が記載されているので確認してみてください。私はここを確認するまで、引き返し編みも編み図の通り滑目だけすればいいものと思っておりましたが、次段で必ず滑目した目の裏側のループを引き上げて2目一度に編む必要がありました。(段消し
また、この滑目した目、教本では糸印をつけていますが、私はこの糸印をおろそかにして、試験当日は1か所、みごとに引き上げる目を間違えました。糸でなくても、マーカーなどで印をつけておけばよかったと思います。

また、作り目についても確認が必要です。
「受験の手引」4級に「かぎ針と棒針を使用した目の作り方」「鎖目の裏側の山をすくう目の作り方」「棒針を使用した目の作り方」が記載されています。試験ではどの作り目を指定されるかわからないので、基本的な操作を確認しておきましょう。

かぎ針編

かぎ針編みは、試験ではアフガン編(もしくは棒針編も)のスワッチの上部の目を拾って編みます。こちらも「受験の手引」各級に掲載されている編み模様を一通り編めるようにしておきます。

かぎ針編みでは、パフコーン編目がよく出題されます。玉編目と混同しやすいので、一度は編み方をきちんと確認しておくと安心です。うまく編めるとチューリップのような立体感が出ると思います。

ほかには、アフガン編から目を拾う場合の立ち上がりの目の位置に注意してください。出来上がりのスワッチの形を見てアフガン編地とずれているようでしたら、立ち上がりの目の位置がずれている可能性があります。スワッチの出来上がりを確認しながら、チェックしましょう。

糸始末

糸始末も減点の対象になりますので、配色変えもですが、開始・終わりの糸端ももちろん忘れず糸始末をしましょう。配色変えの糸は引きつらないように力加減に注意してください。

台紙への縫い付け

試験では解答用紙そのものが台紙となります。編みあがったスワッチを縫い付けて初めて採点対象となるので、編み途中でも、1か所だけでも、最後の縫い付けだけは行ってください。
私が使用したのは、普通の縫い針と木綿糸です。
試験当日は、あらかじめ縫い針に糸を通して、玉結びにした状態の針を3本用意して持ち込みました。縫い針に糸を通す時間も惜しく、途中で糸が抜けてしまったときも想定して用意しました。

縫い付け方法は人によりけりのようです。私は以下のようにしました。

  • スワッチを用紙の上に置き、形を整えた状態で主要な4点~6点に針で穴をあけておく
  • ①の箇所を、スワッチの形を確認しながらそれぞれ縫い付けて玉止めを繰り返す
  • 形が整っていることを確認して、各辺を細かく縫い付けていく

編んでみると形がいびつだったり、模様がきれいに出ていないなどがあっても、ここでスワッチの形を整えることでカバーできることもあります。とくに、増目・減目を行い直線ではない辺の形をきれいに見せると、仕上がりがとてもよくなります。
端の目の形がきれいに見えるように意識して、目のどの部分を縫い付けるかも統一していくとよいでしょう。

時間配分

アフガン編、棒針編みどちらも、時間配分が重要です。
最後の縫い付けには10分以上の時間を残したいところ。私は手が遅いほうではないですが、過去問3回目までは時間内に編み上げることができませんでした。慣れてきても縫い付けは時間との戦いという感じでした。
時間内で余裕をもって編み上げるポイントは以下でした。

  • 道具は開始前に使いやすい位置に配置しておく
  • 開始時点に編み図を見たとき、編み方向から何目めに模様の変化や色変えがあるかを数えて目数を書き込む
  • 他にも自分なりのポイント、間違えやすい箇所へのマーキングなどを、先に編み図に書き込んでおく
  • 早さよりも正確さ

④については、制限時間があるので焦りはあるかもしれませんが、間違いに気づいてほどいてやり直すのが可能なのは、せいぜい開始数段までです。ある程度編んでしまえば、リカバリーはきつくなります。そのため、「間違えない」というのは、時間内に編み上げるためには必須となってきます。

実技のさいごに

検定を受けようと思う方は、実技の実力は既にある方が多いかと思います。
技法や編み模様で抜けのあるものを確認し直したあとは、過去問を時間内に正確に編む練習を繰り返すのが良いでしょう。
試験では編み上がりのきれいさ、目のそろい方にも気を配れると、高得点を得られるのではないかと思います。

タイトルとURLをコピーしました